木に包まれた小学生の第二のおうち

諸川児童クラブ(竣工:2013年4月)

諸川児童クラブ

 茨城県古河市にある放課後児童クラブ(学童保育。以下、児童クラブ)の計画です。敷地は諸川小学校の校庭の南西端を一画。校舎から道路に出ることなく直接安全に訪れることができるよう、校庭側に出入口を設けることとなりました。
 古河市では、2010年に制定された「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(現在:脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律)に則すよう、それまで軽量鉄骨造のプレハブ建築でつくってきた児童クラブを、木造でつくることに方針転換しました。そしてその第1号が諸川児童クラブです。

 児童クラブのプレイルームは1クラス40人定員が基本です。また児童1人当たりの面積は1.65m2(1畳)以上ですので、66m2(40畳)以上の大空間が必要になります。構造材は6mを超えると急に材料費が上がりますので短辺方向を6m以内に納めることがセオリーですが、長編方向が11mとなり、部屋が細長くなってしまいますので、ここでは建物全体で使用する材料にメリハリをつけることで、大断面の集成材を用いて9.1m×7.3mの大空間を実現しました。
 さらに、せっかく木造でつくるのであれば、石膏ボードですべて木を覆ってしまうのではなく、木が室内に現れた空間にしたいと考え、大断面の集成材と構造用合板の野地板を天井に現した豪快なデザインのプレイルームができあがりました。

 外観は大きな白いボリュームに小さない黒いボリュームがぶつかる形態にしました。これは白いボリューム内におさまっている2つのプレイルームと、黒いボリューム内におさまっている水回りや玄関等の天井高がそのまま外観に現れた結果です。

 

外観

外観(小学校側からのアプローチ)

外観

野地板と大断面集成材を現しにしたプレイルーム

プレイルーム

オリジナルの家具(ランドセルロッカー)

建築主 古河市
計画地 茨城県古河市
用途 放課後児童クラブ(学童保育)
定員 80人
敷地面積 377.88m2
建築面積 182.18m2
延床面積 180.93m2
構造 木造
階数 平屋建

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