旧万世橋駅と呼応する「子どもたちが社会へ旅立つ駅」
千代田区神田淡路町にある認可保育所の改修計画です。鉄筋コンクリート造4階建の既存建物は、隣接する再開発エリアにあった区立保育園の仮設園舎として建設されたもので、新園舎完成後は事務所として利用されていました。しかし、地域の待機児童増加を受けて改めて民間保育事業者を募り、保育園として再スタートを切ることになりました。
園舎は、赤レンガのアーチが印象的な旧万世橋駅(現マーチエキュート神田万世橋)と正対する場所に位置しています。そこで私たちは、「子どもたちが社会へ旅立つ駅」をコンセプトに掲げ、旧万世橋駅と呼応し、互いを引き立て合うデザインを目指しました。
レンガアーチが迎えるエントランス
玄関を入ってまず目に入るのは、透かし積みのレンガスクリーンです。やわらかな光を取り込みながら視線を適度に遮ることで、エントランスに奥行きと印象的な表情を与えています。
また、アーチ状の開口部の高さを1.5mに抑えることで、その先に広がる下足コーナーを子どもたち専用の空間として計画しました。大人には少し低く、子どもにはちょうどよいスケール感とすることで、子どもたちの居場所を明確にしています。
食育を支えるランチコーナー
1階にはランチコーナーと調理室を隣接して配置しました。両者を隔てる壁をガラス張りとすることで、子どもたちが調理の様子や食事ができあがる過程を日常的に見ることができる計画としています。
また、天井に放射状に配置した照明は、駅に欠かすことのできない「時計」をモチーフとしたものです。毎日の食事の時間を楽しく彩るとともに、この園のコンセプトを象徴するデザインとなっています。
異年齢保育を支えるワンルーム型保育室
2、3階の保育室は、異年齢保育を前提としたワンルーム型の保育室とし、必要に応じて可動間仕切によって柔軟に使い分けることができる計画としました。
大きな空間の中には、子どもたちが落ち着いて過ごせる小さなコーナーも点在させています。また、レンガの柱型と梁型によってつくられる連続するアーチは、旧万世橋駅の高架空間を思わせる印象的な風景を生み出しています。
地域にも開かれた遊戯室
4階には舞台を備えた遊戯室を設けました。子どもたちの軽運動やお遊戯会に利用されるだけでなく、保育士の会議や地域への開放など、多目的に利用できる空間です。
真っ白な壁と天井に囲まれたシンプルな空間の中で、ライトアップされたレンガアーチが象徴的な存在となり、発表会や行事の舞台を印象的に演出します。
| 計画地 | 東京都千代田区 |
|---|---|
| 用途 | 認可保育所 |
| 定員 | 99人 |
| 延床面積 | 1,354.07m2 |
| 階数 | 地上4階建 |








