限られた敷地に、明るく開放的な遊び場をつくる

EBS保育園(竣工:2015年4月)

グローバルキッズ戎本町園_ホール

外に閉じ、内に開く保育園

 計画地は、大国町駅から徒歩5分ほど、今宮戎神社や、通天閣を中心とした大阪を代表する繁華街・新世界にもほど近い場所に位置しています。一方、計画当時の敷地周辺は、新世界の賑わいとは対照的に人通りが少なく、閉鎖的な印象を受ける街並みが広がっていました。

 そこで、園舎を周辺に向かって大きく開くのではなく、外側への開口を抑えながら、内側に明るく開放的な保育環境をつくることを考えました。敷地面積が小さく、短い接道長さの中で玄関と保育室への採光を確保する必要もあったことから、2つの中庭を抱えるH型の平面を採用しました。

 外観には鮮やかなオレンジ色を採用しました。計画当時の周辺には高架や工場などが多く、モノトーンの街並みに鮮やかな色を加えたいと考えたためです。周辺に対して開口を抑えながらも、色彩によって街に明るい表情をつくりました。

中庭に開き、街の風景を取り込む

 H型の平面によって生まれた2つの小さな中庭に向かって保育室を大きく開き、周囲からの視線を遮りながら採光や通風を確保しました。中庭では水遊びやプール遊びも楽しむことができます。

 一方、周辺に対してすべてを閉ざすのではなく、立地特性を活かした園舎づくりも大切にしています。保育室の大きな窓からは、近くを走る南海電鉄の特急ラピートを眺めることができ、子どもたちの日常を彩る風景のひとつとなっています。

廊下や階段も遊び場に

 限られた敷地の中で遊びの場をできるだけ確保するため、中央の廊下と階段は単なる移動のための動線とせず、ゆったりとした幅を確保しました。廊下ではおもちゃを広げて遊ぶことができ、階段も上り下りそのものを子どもたちの遊びとして捉えています。

 さらに廊下には、壁の厚みを利用して子どもが身体ごと入り込めるニッチを設けました。中庭だけでなく、廊下、階段、ニッチまで、園舎全体を子どもたちの遊びの環境として計画しています。

モノトーンの街並みに鮮やかな色を添えるオレンジの外観

2つの中庭を抱くH型平面が表れた園舎外観

スリット窓から灯りがこぼれる夕景の園舎外観

外からの視線を遮りながら保育室に開く中庭

スリット窓から柔らかな光を取り込む玄関

階段

廊下のニッチ

保育室

保育室から見えるラピート

計画地 大阪府大阪市浪速区
用途 認可保育所
定員 60人
敷地面積 307.08m2
建築面積 211.08m2
延床面積 397.70,m2
構造 鉄骨造
階数 地上2階建

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