
マスタープラン・設計調整
事務所在籍中から関わってきた幕張ベイタウンの計画に、独立後も引き続き携わった。
総戸数366戸、延床面積4haの大規模街区の計画です。ベイタウンの南角に位置し、10年以上にわたって続けられてきたベイタウン計画の最後を飾る記念碑的な計画であり、それに相応しい計画を実現するという使命が使命が課せられた街区である。
私たちマスタープラン作成チーム(大村虔一氏の元、都市デザインワークスと協働)として、以下のようなマスタープランを提示した。
基本的な考え方
海に近く、周囲がオープンスペースであることから、開放的で海に開いた構成とする。
配置計画
沿道型の配置に固執せず、海側を大きく開放し、どこからでも海への眺望が得られるような配置計画とする。
スカイライン
幕張ベイタウンのコーナーに相応しいタワー型の住棟を配置する。
オープンスペース
街区の三方を囲む公園等の緑を街区内に積極的にとりこむよう連続的な構成とする。
2004年9月以降は住棟設計者が新たに加わり、私たちはマスタープランの基本理念に基づいて、より発展的な計画とするよう、設計調整という立場でプロジェクトの一翼を担った。
共用棟・駐車場棟・外構 設計・監理
設計調整と並行して、大村グループの一員として、ビーチテラスの共用棟・駐車場棟・外構の設計に携わった。
マスタープランを担当した私たちは、街区のコンセプトである「開放的で海に開いた構成」を具体化した。
中庭の中央に配置した共用棟は、1階にラウンジとキッズコーナーを設けた。中庭に面した三方をガラス張りとすることで透明感のあるデザインとした。またアルミサッシュを引戸とすることで、海風が強い時でも開け放つことができ、天気の良い日には中庭と一体的に利用することができるようにした。
北棟と南棟をつなぎ、共用棟を貫くコリドーは、塗壁の列柱を規則的に並べることで、光と影、季節の移ろいなどのシークエンスを演出した。
駐車場棟は簡易的な鉄骨造の立体駐車場だが、リブ付の押出成形セメント板を高さを変えて設置することで、変化に富んだファサードをつくり、壁面や屋上に緑化を施すことで景観にも配慮した。
中庭は「海」をテーマに、楕円形の回遊路の内側の芝面を「海」、点在するシンボルツリーやパーゴラなどを「島」、住棟際の白砂舗装を「渚」と見立てデザインした。
回遊路の周りに樹木や草花などを配し、起伏をつくることで、シークエンスの変化を重視したデザインとした。
建築主 | 清水建設グループ・三井不動産グループ |
---|---|
計画地 | 千葉県千葉市(幕張ベイタウン) |
用途 | 共同住宅 |
敷地面積 | 14,108.63m2 |
建築面積 | 8,065.19m2 |
延床面積(共用棟) | 39,227.40m2(500m2) |
戸数 | 366戸 |
階数(共用棟 | 地上18階建(地上2階建) |
構造 | 鉄筋コンクリート造・鉄骨造 |