既存の家を生かしながら、住まいを再生
私(石嶋)の父の代からお世話になっている医師のご自宅をフルリフォームしました。既存の内装をすべて解体し、家族構成や暮らし方に合わせて間取りを一新しました。一方で、長く暮らしてきた家の記憶を残すため、既存の柱や梁などはできる限り生かしました。
丸太梁を生かした、開放的な2階LDK
2階は、家族が集まる場としてLDKと浴室を中心に構成しました。LDKは切妻屋根の形状を生かした勾配天井とし、既存の丸太梁や柱を現しにすることで、開放感のある空間としています。
梁や柱は濃茶色に染色し、チークのフローリングと白い壁を組み合わせることで、落ち着いたシックな雰囲気にまとめました。大きな開口部には障子を設け、光を柔らかく取り込むとともに、断熱性を高めています。
階段まわりにも既存の柱を生かし、新しい間取りの中に古い家の構造を取り込んでいます。新しくつくった部分と既存のものを単純に置き換えるのではなく、残すものとつくり直すものを見極めながら、既存住宅の持つ魅力を引き出しました。
湿気の多かった1階を、明るく快適な居室へ
1階には主寝室、2つの子ども部屋、趣味である楽器の練習室を設けました。リフォーム前は湿気が多く、ほとんど使われていなかった階ですが、床下に炭を敷き、壁には調湿作用のあるエコカラットを採用することで、湿気の問題を改善しました。
また、近隣の住宅が迫っていて日当たりがあまり良くないことから、2階とは仕上げを変え、明るい色調の材料を用いました。木の質感を生かした腰壁なども取り入れ、落ち着きがありながら明るい居室としています。
受け継がれる家族の記憶
この住宅では、建物を新しくするだけでなく、これまでの家族の記憶を新しい住空間へ受け継ぐことも大切にしました。古い柱に刻まれていたお子さんの成長の記録は新しい柱へ移設し、旧宅の材料も可能な限り再利用しています。
古い家を壊して新しい家に置き換えるのではなく、そこに残る材料や家族の記憶を受け継ぎながら、これからの暮らしに合わせて新しい住空間へと再生しました。
| 計画地 | 東京都豊島区 |
|---|---|
| 用途 | 専用住宅 |
| 家族構成 | 夫婦+子ども2人 |
| 延床面積 | 137.89m2(41.71坪) |
| 階数 | 地上2階 |
| 構造 | 木造 |








