池袋本町公園とつながる保育園
敷地は、東京都豊島区の池袋本町公園に隣接する住宅地にあります。サクラやケヤキなどの高木が茂る緑豊かな公園で、その一部には、子どもたちが木登りや泥遊びなどを自由に楽しむことのできる冒険遊び場「池袋本町プレーパーク」が設けられています。こうした子どもの遊びと豊かな緑が身近にある環境を活かし、公園の風景や気配を保育空間に取り込むことを計画の大きなテーマとしました。
一般的には日当たりのよい南側に園庭を配置するところを、本計画では園舎を敷地の南側、園庭を北側に配置しました。園庭を隣接する池袋本町公園に面して設けることで、限られた敷地の中でも、公園の緑や広がりを身近に感じられる環境をつくっています。
園舎は敷地形状に沿って緩やかに折れ曲がる平面とし、建物の角を丸くすることで、住宅地に対する圧迫感を抑えるとともに、公園の緑に馴染む柔らかな外観としました。
1階には0~2歳児室、2階には3~5歳児室を配置し、それぞれの中央に大きなホールを設けています。
公園の風景を切り取る大小の窓
ホールは各保育室をつなぐ動線としてだけでなく、子どもたちが遊び、異なるクラスの子どもと出会い、交流する「子どもの社交場」として計画しました。
公園側の壁面には、大きさや高さの異なる窓を組み合わせて配置しています。大人の目線に合わせた一般的な窓だけでなく、子どもの身体寸法に合わせた低い位置にも小さな窓を設け、座ったり、覗き込んだりしながら、それぞれの場所から外の景色を楽しめるようにしました。
窓の向こうには池袋本町公園の木々が広がり、新緑や紅葉、春に咲くサクラなど、四季折々の風景を身近に感じることができます。窓を単なる採光や換気のための装置ではなく、公園の風景を切り取り、子どもたちが思わず外を覗きたくなるような仕掛けとして計画しました。
1階ホールは園庭に面した大きな折戸を開放することで、室内と園庭がひとつながりになります。その先には公園の緑が広がり、ホール、園庭、公園へと連続する環境をつくっています。
光がリズムをつくる「子どもの社交場」
2階ホールでは、公園側の白い壁を大きくくり抜き、その奥を板張りの壁としました。板張りの壁には大きさや高さの異なる窓を点在させ、公園の風景をさまざまな大きさで切り取っています。
天井には、大きさの異なる円形のトップライトと照明をリズミカルに配置しました。自然光を取り込むトップライトと人工照明を同じ円形のデザインで構成し、大小の光の円が天井に連続する特徴的な空間としています。
保育現場の工夫を建築に取り込む
保育室では、天蓋やモビール、季節に合わせた装飾など、保育士の手によってさまざまな環境づくりが行われています。天井や壁もその舞台となり、子どもが落ち着いて過ごせる場所をつくったり、日々の保育や遊びを豊かにしたりするために工夫されています。
こうした保育現場での工夫に着目し、本計画の乳児室では、天蓋を後から付け加えるのではなく、設計段階から保育室を構成する要素として計画しました。天井高を視覚的に抑えることで乳児の身体スケールに近い空間をつくるとともに、吸音性のある素材を用いることで音の響きを抑え、落ち着いて過ごせる環境としています。
| 計画地 | 東京都豊島区 |
|---|---|
| 用途 | 認可保育所 |
| 定員 | 90人 |
| 敷地面積 | 512.86m2 |
| 建築面積 | 294.89m2 |
| 延床面積 | 565.34m2 |
| 構造 | 鉄骨造 |
| 階数 | 地上2階建 |
| 外装設計監理 | 大和ハウス工業株式会社 |
| 内装設計監理、外装監修 | 石嶋設計室 |











