
東京都西東京市、西武新宿線 西武柳沢駅前の商店街から一皮入ったところに位置する認可保育所の計画です。
周辺は戸建住宅が広がるため、園舎を大きな塊とするのではなく、スケールをあわせた小さなコテージの集合体としてデザインしました。7つのコテージを回廊でつなぎ、その内側に中庭を内包しました。保育室は2室1セットで構成し、間には受入室とトイレを設けました。これにより保護者の進入は受入室までとなり、子どもたちの活動が中断されることはなくなり、また雑菌を保育室に持ち込むことが防止することができます。
中庭以外にもさまざま特徴を持った庭を用意しました。玄関前には保護者や近隣住民が憩えるパブリックな庭、調理室前にはプール遊びやランチができるペイブの庭、0歳児室前には専用のひなたぼっこの庭、コテージ間のウッドデッキの庭等。中庭や回廊も含めて、これらのさまざまな庭は、屋外に飛び出したもうひとつの保育室です。
正方形のコテージには、対角線上に片流れの棟を持った切妻の屋根を載せました。屋根をさまざまな方向に開向けることで、変化のある形態が完成しました。さらに外壁にはグローバルキッズのイメージカラーであるオレンジ色の塗壁とし、コテージの間の受入室部分と回廊は白色のガルバリウム鋼板でコテージを際立たせるようなデザインとしました。
保育室の内装は、ヒノキの腰壁に加え屋根を支える化粧垂木を現しとすることで、木をふんだんに採り入れた優しい空間としました。垂木の間に仕込んだ照明がそれをさらに協調します。
保育室の空調は子どもの生活領域が低いことに着目し、床からの熱伝導と輻射効果を得る床吹出しの空調システムを採用しました。また、過度な冷暖房の運転による夏の冷えすぎや冬の乾燥を抑えるため、湿度環境を別途整え、子どもにとって最適な温熱環境をつくりだしました。(撮影:黒住直臣)
計画地 | 東京都西東京市 |
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用途 | 認可保育所 |
定員 | 60人 |
敷地面積 | 826.47m2 |
建築面積 | 410.75m2 |
延床面積 | 405.57m2 |
構造 | 木造 |
階数 | 平屋建 |