横浜市の認可保育所の計画。東急田園都市線あざみ野駅から急な坂道を登りきった小高い丘の上に建つ園舎です。
外観は2階建で、屋根・壁ともすべて黒いガルバリウム鋼板で覆った特徴的な外観としました。一方、室内は、ホールと屋内階段の仕切りに木の縦ルーバーを用いました。保育室には腰高の羽目板を貼り、木の筒状のトップライトから自然光を採り入れる等、木材を多く用いました。縦ルーバーで仕切ることで、子どもたちの安全性を確保することと同時に、階段を通じて上下階に空気や自然光を柔らかく送ることが可能となりました。
この園舎の特徴は、多彩な開口部です。ホールや玄関の突き当たりにはピクチャーウィンドウを設けて、園舎周辺に多くある緑を効果的に園舎内取り込みました。また北側に面したホールや屋内階段にはトップライトを設け、穏やかな自然光を取り込みました。いずれも額縁には集成材を用い、奥行きのある木の筒を通して優しく自然光や景色を採り入れました。
2階の保育室では、欄間をガラス貼りにすることで、切妻の勾配天井が連続していることが感じられるようにしました。また、玄関の上部2階保育室には、保護者が帰ってくることを楽しみに待つ地窓「お迎えの窓」を設けました。
階段下には黒板塗料を塗った子どもたちの基地を確保しました。天井が低く、囲われたスペースのように見えますが、木のルーバー越しにホールから内部が見え、安全性には十分に配慮しています。
園庭はすべて人工芝を貼りました。2階からの避難経路を平らにする必要があるため、園庭内に1mほどの高低差ができましたが、子どもたちは丘を登ったり滑ったりしながら新しい遊びを生み出し、元気よく遊んでいます。
用途 | 認可保育所 |
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定員 | 60人 |
敷地面積 | 771.85m2 |
建築面積 | 265.11m2 |
延床面積 | 445.97m2 |
構造 | 鉄骨造 |
階数 | 地上2階建 |
外装設計監理 | 大和ハウス工業株式会社 |
内装設計監理、外装監修 | 石嶋設計室 |
メディア掲載 | 内装木質化ハンドブック/2014年 |