電車みたいなデザインが光る高架下の園舎

グローバルキッズ武蔵境園(竣工:2014年4月)

グローバルキッズ武蔵境園_エントランス

 JR中央線の高架化にともなって生まれた高架下に魅力的な空間をつくり出し、これまで線路で南北に分断されていた街に回遊性を生みだすことで地域の活性化を目指した「JR東日本グループ中央ラインモールプロジェクト」。この保育園はその一環として武蔵境駅〜東小金井駅の中間に計画されました。
 敷地は90m×11.5mの細長い形状。そのうえ約15m間隔で高架の柱が2本ずつ連続し、地面から4.7mの高さに桁があります。設計にあたっては高架のメンテナンスを考慮し、50cm程度のクリアランスを保つことが条件とされました。

 園舎は必然的に高架下に潜り込んだような形態となり、その外観はあたかも5両編成の電車のようになりました。
 5つの車両はそれぞれ保育室で、その中心を50mに渡り廊下が貫いています。廊下の南側には保育室、北側にはトイレ・受入室・収納を設け、それぞれの車両で保育を完結できるようにしました。
 仕上はビニルクロス、ヒノキ羽目板、フローリングを用いて全体のトーンは併せつつも、貼り方を変化させることで車両ごとの個性を出すようにしました。
 またこの園舎の特徴である長い廊下を「もうひとつの保育室」と捉え、小窓や車窓を模した開口部のデザインとすることで、異年齢の子どもたちが接触する「子どもの社交場」としてデザインしました。

 保育室は子どもにエアコン風を直撃しない床吹出し空調と、湿度環境を整えるデシカント式調湿換気装置で夏の冷え過ぎや冬の乾燥が起こらないようにしました。ガスエンジン式ヒートポンプエアコン(GHP)の採用で、キュービクルの回避や床吹出し空調で床暖房を不要とすることでイニシャルおよびランニングコストの低減を図りました。

 子どもが多様な光環境を体験できるよう、車両ごとに異なる仕上にあわせた照明計画とした。閉園後には室内の窓あかりを一部残し常夜灯とすることで、施設と周辺の防犯性を高めるとともに、地域の夜間景観におけるシンボルとしての役目も果たすことを目論みました。

遠景

全景

エントランス

1歳児室

2,3歳児室

4,5歳児室

廊下

エントランス

小窓

駅名表示

夜景

高架下の園庭(すべての写真:黒住直臣)

計画地 東京都武蔵野市
用途 認可保育所
定員 62人
敷地面積 997.05m2
建築面積 398.24m2
延床面積 398.24m2
構造 鉄骨造
階数 平屋建
メディア掲載 新建築/2015年4月号、内装木質化ハンドブック/2014年、近代建築/2014年6月号

株式会社グローバルキッズ