コンクリートとガラスブロックがつくる都市的なファサード
既存の東京都認証保育所を認可保育所へ移行することにあわせて計画した新築園舎です。計画地は京王線千歳烏山駅から徒歩10分ほど、甲州街道から一歩入った住宅地に位置しています。
外観は、本体より約1m低くしたしたバルコニーを巡らせることで周辺への圧迫感を軽減するとともに、コンクリート打放しとガラスブロックによるシャープで軽やかな表情を目指しました。
昼間は街並みに静かに佇み、夕方になるとガラスブロック越しに漏れる光が街を優しく照らす園舎です。
半アーチのエントランスと遊具となる階段
玄関をくぐると、羽目板貼りの壁と天井に包まれた半アーチ型のエントランスホールが来園者を迎えます。ランダムに配置した直線照明が奥行きを強調し、子どもたちを園の中心へと導きます。
ホールの先には、この園の象徴ともいえるガラス張りの階段を配置しました。私たちは階段を単なる移動空間ではなく、子どもたちの成長を支える遊具のひとつと考えています。魅力的な階段は子どもたちに昇り降りする楽しさを与え、日々の動作の積み重ねが自然な体力づくりやバランス感覚、危険を回避する能力の獲得につながると考えました。
子どもたちの活動を引き立てる背景としての保育室
保育室は、外観やエントランスのシャープで未来的な印象とは対照的に、化粧板の腰壁、白い壁、岩綿吸音板によるシンプルでやさしい空間としました。
私たちは、保育室の主役は建築ではなく、子どもたちの活動そのものだと考えています。そのため、子どもたちの作品や保育士による飾り付け、絵本やおもちゃ、日々の遊びの風景が空間を彩るよう、内装はあえて背景に徹しました。
また、余計な装飾を排した落ち着いた空間は、子どもたちの集中力を高めるとともに、保育内容や年齢、季節の行事に応じて柔軟に使い方を変えることができます。園舎が完成した時がゴールではなく、子どもたちや保育士とともに成長し、変化していく保育環境を目指しました。
限られた敷地を活かした外遊び環境
敷地いっぱいに園舎を計画したため、外遊びの場は各階に分散して配置しました。
0歳児、1〜2歳児、3〜5歳児それぞれに専用テラスを設けることで、年齢や発達段階に応じた遊びができる環境を整えています。
さらに屋上には人工芝の園庭を設け、都市部の限られた敷地条件の中でも、子どもたちが十分に身体を動かせる環境を確保しました。
| 建築主 | 株式会社コミニティハウス |
|---|---|
| 計画地 | 東京都世田谷区 |
| 用途 | 認可保育所 |
| 定員 | 75人 |
| 敷地面積 | 412.94m2 |
| 建築面積 | 285.06m2 |
| 延床面積 | 599.90m2 |
| 構造 | 鉄筋コンクリート造 |
| 階数 | 地上3階建 |
| 掲載 | 近代建築2021年8月号 |









