園舎と一体化したムクノキが子どもの成長を見守る

東京大学駒場むくのき保育園(竣工:2008年11月)

東大駒場むくのき保育園_中庭のムクノキ

ムクノキと一体となった「森の保育園」

 東京大学駒場IIリサーチキャンパス内に建つ、事業所内保育所「東大むくのき保育園」の設計を担当しました。複数者によるプロポーザルを経て、私たちの提案が選定されました。

 そこで、できるだけ伐採せず、ムクノキを園舎の一部として積極的に取り込む計画としました。園舎が主張するのではなく、ムクノキと一体となることで、互いの魅力を引き出す「森の保育園」を目指しました。

見通しと柔軟性を備えた保育室

 保育室は、0歳児室を独立した空間とし、それ以外は腰高の家具で緩やかに区切ったワンルーム形式としました。壁で細かく仕切らず、空間全体につながりを持たせることで、保育人数の変化にも柔軟に対応できます。また、室内の見通しを確保し、子どもたちの事故防止や防犯にも配慮しています。

周囲の景観とムクノキを生かした外観

 外観は、隣接する校舎からの見下ろしや、構内通路からの景観を考慮し、建物を4つのまとまりに分けました。高低差のある屋根をリズミカルに連続させ、周囲の景観になじむ構成としています。屋根を貫くムクノキも、この園舎ならではの風景をつくり出しています。

 また、欄間から自然光を取り入れることで、室内に明るさをもたらすとともに、開放的な保育環境をつくりました。構内通路側は大きなガラス面とし、園舎の内部が外からも見える構成としています。子どもたちが遊んだり、活動したりする様子がキャンパスを行き交う人々にも伝わり、保育園が大学のキャンパスの一部として感じられる、開かれた園舎を目指しました。

発達に応じた2つの園庭

 南側の屋外遊戯場は、2・3歳児を対象とした冒険遊び場です。子どもたちが身体を動かしながら、のびのびと遊べる空間としました。一方、中庭は0・1歳児のための庭です。シンボルツリーであるムクノキの下で、ハイハイやヨチヨチ歩きなど、発達に応じた動きを楽しみながら、ひなたぼっこもできる空間としました。発達に応じた遊びの場を設けながら、一本の大樹を園舎の中心に据えることで、自然と共に過ごす保育環境を実現しました。

外観:ムクノキを取り込んだ園舎

外観:開放的なファサード

夜景:夜の園舎を照らすあかり

中庭:シンボルツリーのムクノキ

保育室:凸凹のある天井と揺らぐ照明

保育室:欄間から自然光を取り込む

屋根を貫くムクノキ

木サッシュのディテール

格子のディテール

建築主 東京大学
計画地 東京都目黒区
用途 東京都認証保育所
定員 30人
建築面積 222.96m2
延床面積 211.79m2
構造 木造
階数 平屋建

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