計画の背景
本計画は、茨城県水戸市に所在する吉田幼稚園の給食室とランチルームの増築計画です。完成した施設には「森のくましょくどう」という愛称がつけられ、子どもたちに親しまれる新たな居場所になりました。
敷地は、本館の計画当初から将来的な給食施設の整備を見据えて確保されていた場所で、約17年の時を経て、このたび構想がようやくかたちになりました。幼稚園では給食の提供は義務ではありませんが、吉田幼稚園では早くから、園児に栄養バランスのとれた食事を安定して提供すること、食育を通して子どもの学びを深めること、そして保護者のお弁当づくりの負担を軽減し、共働き家庭を支えることを大切に考えてきました。その想いが、この施設計画の原点となっています。
計画地はこれまで駐車場として利用されていたため、駐車台数を維持することが条件でした。そこで1階に駐車場、2階を給食室とランチルームとする構成とし、限られた敷地を有効に活用しています。園児が快適に過ごせる環境と、保護者の利便性の両立を図りながら、施設全体の機能性と効率を高めました。
第二の遊戯室となるランチルーム
ランチルームは、敷地条件を活かして、自然光をたっぷりとりこめる、明るく開放的な空間としました。内装にはカラマツ材を使用し、中央にログハウスをシンボリックに配置しています。木の香りやぬくもりを五感で感じながら、毎日の食事が楽しみになる空間を目指しました。
外観は、道路側に大きなガラス面を設けることで、子どもたちが楽しそうに過ごす様子が街へと自然に伝わる開放的な表情としました。夜になると、やわらかな光に包まれたログハウスがガラス越しに浮かび上がり、地域に温かく親しみのある風景をつくり出します。
ランチルーム内は、梅の花びらをモチーフにしたペンダント照明をランダムに配置しました。ひらひら舞い上がる花びらのように照明が空間にリズムを生み、子どもたちが思わず心を弾ませる、明るく楽しい雰囲気を演出しています。
本施設は、本館とは渡り廊下でつながっていますが、休園日には単独でも利用できる計画としています。塾や習い事、子育て世代の交流、食育イベントなど、さまざまな活動を受け入れる地域の拠点としての活用も想定しています。
地域に開かれた園舎
近年の園舎は、安全性やプライバシーへの配慮から閉じた施設になりがちです。しかし私たちは、園が地域とゆるやかにつながることも、これからの時代に求められる役割のひとつだと考えました。
「地域に開かれた園舎」という理念のもと、子どもたちだけでなく、保護者や地域の人々にも親しまれる、新しい園舎のあり方をかたちにしました。
私たちが大切にしていること
私たちは、保育園・幼稚園・認定こども園等、それぞれが大切にする保育や教育の考え方を建築としてかたちにし、子どもたちの豊かな成長を支える環境づくりに取り組んでいます。
| 計画地 | 茨城県水戸市 |
|---|---|
| 用途 | 幼稚園(ランチルーム、給食室、駐車場) |
| 建築面積 | 462.33㎡(増築部分のみ) |
| 延床面積 | 924.66㎡(増築部分のみ) |
| 構造 | 鉄骨造 |
| 階数 | 地上2階 |












