真ん中がらせん階段の園舎と泥んこの園庭

わんぱくすまいる保育園(竣工:2016年4月)

わんぱくすまいる保育園_2〜5歳児室

 東京都江戸川区の認可保育所の計画。JR新小岩駅から徒歩10分程度の住宅地に計画地はあります。

 この園舎の特徴は、中央にある4本の丸太の柱とらせん階段です。直径60cmの4本のヒノキの丸太は一本物でその間にガラスを張ってらせん階段を内包しました。1辺4段の階段を5/4周まわると2階、さらに1周まわると隠れ家的なロフトに行き着きます。子どもたちが階段を上下することで、床や丸太の隙間から様々な園内の景色を目にすることができるように計画しました。

 1階には避難を優先して0,1歳児室を設けました。死角のない正形のワンルームとし、沐浴室、トイレ、調乳室等、必要諸室を隣接して設け、保育士が子どもから目を離さずに保育できるような保育室としました。
 2階は2歳以上の保育室を配置しました。3~5歳児室は大きなワンルームとし、家具を動かすことで大小様々なコーナーをつくれる異年齢保育に適した保育室としました。

 一方、2歳児室の空間づくりには工夫を凝らしました。2歳児室は3~5歳児室とワンルームですが、床を70cm上げることで空間の質を変えました。これは2歳児が生活習慣の自立やコミュニティ形成の第一歩を踏み出す時期であるため手厚い保育ができるようにするためです。また、年長児の活動を見ることで憧れ、学べることを狙いました。
 保育室とは別に設けた多目的室は、子どもたちの軽運動の場であるとともに、コーナーで埋まった保育室をそのままにしたまま眠れる就寝の場です。さらに、専用階段を設けて、地域への開放も視野に入れたスペースとしました。

 外壁には、味わい深い経年変化が楽しめ、メンテナンスフリーであるレンガを用いました。淡色のレンガとピンク色の目地材を組み合わせることで、重厚感と優しさをあわせもつ外観としました。ランダムに穿たれた開口部は、子どもたちに空、街、緑等を提供するとともに、単純な立面にアクセントを与えています。

 性格の異なる2つの園庭を用意しました。
 道路側の乳児専用の園庭は、レンギョウのトンネルやひなたぼっこデッキ等、年長児を気にすることなく遊べるようにしました。またお祭り時には門扉を開け放ち地域に開放することも視野に入れています。
 一方、奥の園庭は年長児の庭です。砂場や古タイヤ、土管の築山を中心にした、回遊性があり冒険心をくすぐる園庭としました。(撮影:黒住直臣)

外観

アプローチ

夜景

2階保育室_2〜5歳児室

2階保育室_階段室

1階保育室_0〜1歳児室

多目的室

ロフト

調理室を上から覗く

階段室

階段下

階段のディテール

大きい子の庭

小さい子の庭

外壁のディテール

計画地 東京都江戸川区
用途 認可保育所
定員 72人
敷地面積 687.56m2
建築面積 286.19m2
延床面積 499.41m2
構造 木造
階数 地上2階建
受賞 第11回キッズデザイン賞
掲載 CONFORT No.168、近代建築2017年1月号

一般社団法人わんぱくスマイル