街の結節点、線路脇に建つ園舎の提案

新所沢駅前保育園計画(竣工:2012年4月)

新所沢駅前保育所_模型写真

 新所沢駅前の保育園計画の提案です。
 私たちの園舎設計に対する考え方がまとめられていますので、ご紹介いたします。

立地特性
・敷地は住宅地と駅前繁華街の結節点に位置する。
・北側は線路敷き、南側は駐車場〜苗圃に面し、比較的周囲が開けている。
・2本の道路と電車からのアイストップとなる。

敷地の特性
・敷地南側には街並み景観上重要と考えられる2本の巨木がある。
・L型で南側に開いた敷地形状である。
・東側は線路敷きに接しており、電車がよく見える。
・敷地は概ねフラットだが、線路敷きが若干高い。

配置計画
・建築は総2階建とし、できるだけコンパクトにする。
・建築を線路側に寄せ、南〜西側に空地を確保する。
・北側に主動線を確保し、屋外遊戯場を広く確保する。
・エントランス前の十分な引きは、子どもたちの飛出し事故防止にも寄与する。

外観デザイン
・周辺地域への圧迫感を低減させるため、壁面を分割したデザインとする。
・アイストップ部は、特徴的なデザインとする。
・電車から見える東側はウラとはせず、もうひとつの顔としてデザインに十分配慮する。

平面計画(1階)
・非常時を考慮し、0、1歳児室を1階に設ける。
・南側に保育室を設け、ホール・廊下を介して、北・東側に管理諸室を配置する。
・0歳児室は最奥の静かなスペースに配置する。
・一時保育室はエントランス直近に設ける。

平面計画(2階)
・2階には2〜5歳児室を設ける。
・南側に保育室を設ける。
・東側に電車を見下ろすホールは電車側の顔ともなる。
・幼児トイレの周りに回遊動線を確保する。
・避難用の外階段は屋外遊戯場への動線として利用する。

断面計画
・1歳児室は屋外遊戯場と一体的な利用を考慮する。
・3〜5歳児室は大空間に相応しい天井高を確保する。
・北側のトップライトから優しい天空光を得る。
・幼児トイレ上「空のいえ」と、階段下「地のいえ」は子どもたちの「基地」である。

外構計画
・アプローチは、緑豊かな空間でベンチ等を設置し、保育士、保護者、近隣住民等の憩いの場とする。
・動のにわは、2本の巨木を中心に築山や砂場、遊具等を配した遊び場とする。
・静のにわは、菜園や0歳児のひなたぼっこの庭とする。

立地特性

配置計画

敷地の特性

外観デザイン

平面計画(1階)

平面計画(2階)

断面計画

外構計画

模型写真

計画地 埼玉県所沢市
用途 認可保育所
敷地面積 620m2程度
建築面積 269.02m2
延床面積 516.02m2
階数 地上2階建
構造 鉄骨造