広い濡れ縁を介して園庭と保育室が一体化する園舎

　この園舎は、株式会社アンフィニ様にとって、2008年11月に開園したひなた保育園いわきに次ぐ２つ目の園舎です。800m2弱の大きな敷地を有効に活用し、園舎と園庭との緊密な関係をつくることを重視しました。

　園舎は北側に寄せて配置し、南側に園庭をできるだけ大きく確保しました。園舎には日本家屋で多く用いられてきた濡れ縁を用意しました。この内でも外でもない中間領域は、子どもたちにとって、園庭での外遊び前のウォーミングアップの場であり、外遊び後のクールダウンの場です。幅を2.7ｍとすることで、日除けともに雨天時の遊びの場としても利用できるようにしました。

　濡れ縁の奧には、道路側から事務室、1,2歳児室、0歳児室と並び、奧にはトイレ、調理室等水廻りを配置しました。各部屋間の間仕切壁はガラス貼りで、端から端まで見渡すことができます。これはいわき市のひなた保育園いわきでも実践されている、園内のどこからでも、誰かが子どもを見守れるよう意識したことによります。

　園舎内は、徐々にずれていく山型の化粧垂木で、均一感を持ちながら緩やかに変化していく構成としました。また垂木の間にランダムに配置した照明がそれをさらに強調します。

　桐材の箱形家具はすべて可動式で、小さなコーナーをつくるための衝立代わりにもなります。また活動にあわせて端に寄せて部屋を大きく使うことも可能です。

　園庭は第一段階として、自然要素を多く取り入れ、四季折々で変化していく設えを施し、シンプルな遊びの要素を取り入れた計画としています。これから先の子どもたちの生活を通して、話し合いを重ねながら「みらいへ向って一歩ずつ育んでいく場」として位置づけました。

外観

道路側立面

鳥観

園庭

濡れ縁

1,2歳児室

0歳児室

ボールプール

事務室

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