天井について想うこと

2022.07.19

科学博物館の天井

 仕事柄、建築や街並みの写真を撮ることが好きです。気になったものがあれば、すぐにポケットからiPhoneを取り出して撮影しています。
 そもそも写真が得意と言うわけではなく備忘録として撮っています。これはアナログカメラ時代から始まったもので、当時は36枚撮りのフィルムをすぐ撮り終えてしまい、海外旅行から帰ってプリントに出すと数万円かかるなんてこともありました。もちろんピンボケや露出がおかしいものも多く、見られる写真は2/3ぐらいだったと思います。
 デジカメ以降は、失敗してもデータを削除してしまえばなかったことになりますし、少なくともプリントすることはなくなりましたので、備忘録に拍車がかかりました。
 私のiPhoneには、2022年7月7日現在、61,930枚の写真と429本のビデオが保存されています。内容は仕事、遊び、趣味、家族、料理等々、いろんな写真までがぐちゃっと入ってます。iPhoneの場合、画像とともに位置情報も残りますので、行った場所を覚えておくことにも利用しています

 さて、その中でもここ数年よく撮影している、天井の写真です。求心性の強いドーム天井の中に行くと中心の真下に行って、ずっと真上を見ている習性があり、写真におさめるようになりました。辺りに人がいないところを見計らって、iPhoneのカメラアプリをセルフタイマーにしてシャッターを押してたら画面を下にして素早く床に置き、自分が写らないように離れる。画面が見えませんので、中心がずれて数度撮り直し。こんなことを繰り返してきました。
 2年前から趣味のランニングの計測のため、アップルウォッチをつけるようになりました。アップルウォッチの画面にiPhoneのカメラの画像を写し、確認しながらシャッターを切れるようになりましたので、これまでに比べ各段に楽になり、精度も上がりました。

 前置きが長くなりましたが、これから私が撮りためた天井の写真をご紹介いたします。なお、建築の詳しいことは全く知りませんので、解説はできません。見上げ写真のみお楽しみください。


イタリア編

バチカン美術館のフレスコ画の天井
バチカン美術館のフレスコ画の天井。しかしよく撮れましたね。おそらくこの写真は床に置いて撮影してないと思います。
バチカン美術館の天井
これもバチカン美術館ですね。どこか忘れましたが。おそらくボールト天井の一部だと思います。
フィレンツェのサン・ジョヴァンニ洗礼堂の天井
フィレンツェのサン・ジョヴァンニ洗礼堂の天井。さすがにサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂では撮れませんでしたので、近くのすいている場所で撮影しました。
フィレンツェ。サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の礼拝堂の天井
これもフィレンツェ。重要な教会のひとつサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の礼拝堂の天井写真。X型はリブボールトのリブです。
ミラノドゥオーモの天井
ミラノのヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアの天井。ガラスの屋根が架かった高級ショッピングモールです。十字架型の平面の交点にドーム型の屋根が架かってます。

他の国編

サンクトペテルブルクの聖イサアク大聖堂の天井
サンクトペテルブルクの聖イサアク大聖堂の天井です。中央のドームの天井です。高さ100m超えだそうです。
ハンガリーのどこかのドーム天井
ブタペストorウィーンまったくどこか分かりませんが、すごくキレイです。
台湾台南市の安平古堡の天井
2023年8月に久しぶりに海外旅行した台湾台南市安平古堡の天井。細かなレリーフがとてもキレイです。

日本編

国立科学博物館の天井
台東区上野にある国立科学博物館日本館の天井です。漆喰なんでしょうね。光の加減で色が変化し、美しいです。
東京駅の天井
創建当時の姿に復元された東京駅丸の内北口のドーム部分の天井です。ちなみに2000年10月1日に東京ステーションホテルで結婚式を挙げましたが、当時はまだドームになってませんでした。
小笠原伯爵邸の天井
新宿区河田町にあるレストラン小笠原伯爵邸のシガールームの天井です。幾何学模様が素敵です。なお、現在は喫煙はできないみたいです。
京都、東本願寺の山門、御影堂門の天井
京都、東本願寺の山門、御影堂門の天井。山門の高さは日本一なんだそうです。ぶら下がっているものは六角菱灯籠というらしいです。
松濤美術館の階段
閑静な住宅地に建つ松濤美術館の螺線階段の見上げ。オーバル形状の階段の上裏(あげうら)の曲面が艶めかしいです。
角川武蔵野ミュージアムの本棚劇場
埼玉県所沢市にある角川武蔵野ミュージアムの本棚劇場。上の方にある本はどう取るんだって気もしますが、そんなのどうでもいいぐらい圧巻です。
富山県高岡市、山町筋の土蔵造りの町屋の軒天
富山県高岡市の山町筋。伝統的建造物が建ち並ぶうちのひとつ、土蔵造りの町屋の軒天です。左官の仕事が素敵でした。
石川県立図書館の天井
金沢市にある石川県立図書館の天井です。カラフルな鉄骨が照明で照らされ、とても図書館とは思えない空間でした。

自分編

グローバルキッズ後楽二丁目園分園の天井
保育室の天井にポトスのリングを吊りました。保育室内にグリーンがあると穏やかな気持ちになります。
かなや幼稚園のホールの天井
かなや幼稚園の膜屋根の見上げです。寄棟の中央部分です。右上に見えるのは換気塔、真ん中にちっちゃく見えるのは自火報の感知器です。
保育園のエントランスの天井
ある保育園の小さなエントランスの吹抜です。中央には複数のペンダントが下がっているのですが、隠れミッキーみたいになりました。筒状の木の縦格子がきれいです。
むすひの天井
むすひの片流れ天井。中央のシーリングファンが存在感を示してます。
みらいく中村橋の天井
みらいく中村橋園のホール、切妻天井です。45mm厚の化粧垂木が455mmピッチで規則的に連続する中、トップライトをランダムに配置しました。
まちのてらこや保育園の天井
まちのてらこや保育園の照明の見上げです。和紙風アクリル板で覆った照明を市松模様にはいちすることで、和の趣を持った保育室としました。
グローバルキッズ松陰神社駅前保育園の天井
グローバルキッズ松陰神社駅前保育園の1階保育室、卍組(まんじぐみ)の天井見上げです。短い材料を組み合わせて大きな保育室を確保しました。
モニカ矢口渡園の螺線状の階段
モニカ矢口渡園螺線状の階段です。てっぺんにあるトップライトに向かって、渦を巻いて上がっていく。吸い込まれていく感じがします。
おはよう保育園椎名町の螺線状の階段
最後にもうひとつ螺線状の階段です。こちらは長方形ですので、正方形よりも求心性は緩めですね。

番外編

松濤美術館の中庭
松濤美術館の中庭の見上げです。オーバル形状の螺線状の階段といい、見上げに見所満載です。
幕張ベイタウンセントラルパークの見上げ
幕張ベイタウンセントラルパークのタワーマンションの足下からの見上げです。近いですね。スタッフ時代に10年ぐらい担当してました。
北京三里屯の見上げ
北京、三里屯の見上げです。ずいぶん昔に行ったので詳細忘れました。
麻布台ヒルズの大屋根のクリスマスイルミネーション
麻布台ヒルズのThe Cloud(大屋根)のクリスマスイルミネーション。幻想的でiPhoneの待ち受け画面にしています。240402追加
銀座のビルとビルの間
最後に番外編。銀座のビルとビルの間の隙間です。体力さえ有れば、両手で突っ張って登って行けそうな幅です。


投稿者プロフィール

石嶋寿和(いしじまひさかず)
東京都渋谷区生まれ、茨城県古河市(旧猿島郡総和町)出身。
曽根幸一・環境設計研究所を経て2004年に独立し、個人事務所として石嶋設計室を設立。2006年には株式会社石嶋設計室に改組。 独立後もスタッフ時代に担当していた都市デザインの仕事を続けていたが、たまたま90㎡の保育所の内装設計を依頼され、現在までに新築、改修を問わず、200園以上の子ども施設の建築に携わる。
現在では、子ども施設の建築を通じて培ったノウハウを生かし、幅広く新しい建物を生み出している。